災害時要援護者支援に取り組もう
地域防災活動では災害時要援護者との関係強化は最も重要な課題のひとつです。
災害時要援護者支援の体制作りをまちぐるみで推進しましょう。
災害時要援護者とは
お年寄り、乳幼児、障がい者、外国人など、災害時に自らを守るための一連の行動を取るのに支援を必要とする方が多数存在します。
災害時要援護者への支援や協力には、地域社会の住民による組織的な体制が必要不可欠です。
活動で大切な点は、住民一人ひとりが災害弱者とコミュニケーションをとり、人間としての連帯感や信頼関係を築いていくことです。
地域の災害時要援護者と積極的な交流を持ち、人間同士の結びつきを深めましょう。
地域で取り組む災害時要援護者対策
1.災害時要援護者の身になって防災環境の点検を
避難路は車椅子でも通れるか、放置自転車などの障害物はないか、耳や目の不自由な人や外国人向けの警報や避難の伝達方法は確立されているかなど、災害時要援護者に対応したまちの環境づくりを進めよう。
2.災害時要援護者の防災能力アップを支援しよう
初期消火や避難、応急手当の方法など、いざというときに適切な活動を災害時要援護者自身が行えるように、災害時要援護者も参加できる防災訓練や講習会などを開催し、防災能力の向上に協力しよう。
3.地域での協力・支援体制を具体的に決める
日頃の連絡役はだれか、非常時にはだれがだれを救援するか、もし救援者が不在だった場合はだれが救援するか、被災後の生活をどのように支援するかなど、日常・非常時・被災後の支援方法や体制を明確にしておく。
一人の災害時要援護者に対して複数の住民による支援体制を組む。
4.地域住民の意識啓発を
災害時要援護者以外の住民に災害時要援護者支援の重要性をきちんと認識してもらう。
義務感から行う対策では真の支援とはいえない。
地域社会で共生する住民同士としてのコミュニケーションの場を持ち、地域主体による住民の意識啓発を。
災害時要援護者の誘導方法
目の不自由な人
●「お手伝いしましょうか」などと、まず声をかける。
●誘導するときは、杖を持っていないほうのひじのあたりに軽く触れるか腕をかして、半歩くらい前をゆっくり歩く。
●方向を示すときは、「右斜め先10m」などと具体的に。
時計の文字盤を想定して「10時の方向です」などと言うのも分かりやすい。
混乱するので「あっち」「こっち」などと言わないこと。
肢体の不自由な人
●いろいろな障害の人がいるので、それぞれの人に適した誘導方法を確認する。
●車椅子の場合は、階段では必ず3人で協力する。
上がるときは前向きに、下がるときは後ろ向きにして、恐怖感を与えないように注意する。
●脱出や避難のとき、救援者が何人もいるとは限らない。
場合によってはひもで結んで背負うなど、臨機応変に対処する。
耳の不自由な人
●話すときは、近くまで寄って相手にまっすぐ顔を向け、口を大きくはっきり動かす。
●口頭で分からないようであれば、紙とペンで筆談する。
紙やペンが無ければ、相手の手のひらに指先で字を書いて筆談する。