2010第6回(平成22年度) 6th |
東近江市美術展覧会 An art exhibition |
入賞作品集 A work of selected arts |
書部門 審査員 :大田 左卿
<総評>30点の出品であるが、本年は高校生の出品が多く、将来が期待できる書展となりました。作品は、漢字の篆書(てんしょ)、隷書(れいしょ)、楷(かい)、行(ぎょう)、草書(そうしょ)と、かなの各体にわたり、大字作、詩文作もあって、内容の豊富な楽しい雰囲気を生み出すことができました。今後のために、表現目標を確かにし、自己表現が思う存分できるよう、不断の努力を望みます。
市展賞
【命 題】漢詩句
【住 所】近江八幡市安土町下豊浦
【氏 名】森 要
【特別賞】東近江市文化団体連合会会長賞
【講 評】墨量と筆致の変化よく、深くて明かるく澄んでいる。特に渇筆の線に熟練を思わせる。
特選
【命 題】海辺
【住 所】東近江市上大森町
【氏 名】井堀 多美子
【特別賞】京都新聞滋賀本社賞
【講 評】古代文字をベースに自己の書きぶりに徹し、筆さばきがすばらしい。今少し渇筆があればと思う。
特選
【命 題】臨張瑞図
【住 所】東近江市中野町
【氏 名】岡村 典子
【特別賞】びわ湖放送株式会社賞
【講 評】中国、張瑞図の詩を臨書したもの。原本の特徴を緻密に観察し、線の太細を交えた行の流れは、超高校生級の努力作。
準特選
【命 題】曼陀羅
【住 所】東近江市伊庭町
【氏 名】川原﨑 啓子
【特別賞】 -
【講 評】充実した気持ちを最後まで一貫させて書き切った力作。線の深さに加え、割れた線が効果的。小書きも生きて余白が美しい。
佳作
【命 題】臨賀蘭汗造像記
【住 所】愛知郡愛荘町蚊野
【氏 名】今村 優希
【特別賞】 -
【講 評】中国六朝時代の楷書の特徴を把握し、筆圧をきかせた筆使いをマスターして終始乱れず力強く書きぬいている。墨量が多いと更に迫力がある。
佳作
【命 題】桃李風多
【住 所】東近江市佐野町
【氏 名】新庄 明美
【特別賞】 -
【講 評】行書の筆法をマスターして気持ちのよい流れを出しているが、小書きの部分が窮屈なのと、不正確な字のない様にしたい。
佳作
【命 題】愛燦々と
【住 所】蒲生郡日野町中之郷
【氏 名】長束 典子
【特別賞】 -
【講 評】上部に墨を集め行の下部の変化と余白の調和が美しい。惜しいのは、墨が濁っているのと、表装の色にも工夫がほしい。