スマート農業導入推進 ~野菜の生産拡大に向けた効率的な農作業の実現~
[2023年4月25日]
ID:15912
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八日市地域16集落で計画されている東近江地区国営農地再編整備事業では、農作業の省力化・効率化を進めるため、スマート農業(※1)や大型農業機械に対応した農地の大区画化などの整備が、国において検討されています。
本市はスマート農業の普及拡大を推進しており、令和3年度からスマート農業導入実証事業を実施しています。当事業では、スマート農業技術を活用した機械の実演会や、導入による効果の検証を行っています。
※1:ロボットや情報通信技術を活用して省力化や高品質生産を可能にする新しい農業。
[1]育苗
底面給水方式による育苗を行いました。平らなコンクリートの上に資材を設置してタイマーによる自動潅水を行うことで、散水作業の省力化だけでなく潅水が隅々に行き渡るため、均一に育苗できました。
底面給水方式の育苗(育苗開始後約10日経過)
定植前の苗(育苗開始後約60日経過)
[2]元肥
可変施肥(※2)ブロードキャスターによる元肥作業を行いました。人工衛星を活用した施肥マップに基づき可変施肥を行った結果、実証農場では肥料の使用量が20パーセント削減できました。
※2:センシング技術とGPS位置情報を利用し、必要な箇所に必要な量の肥料を散布する技術
人工衛星を活用して作成した施肥マップ
散布量を自動で調整しながら肥料を散布
[3]畝立
GPS直進アシスト付きトラクターによる畝立作業を行いました。直進アシスト機能により、不慣れな作業者でも直線的な畝が形成できます。このような畝は、栽培作業の効率化や生育の均一化につながります。
直進アシスト付きトラクター
ステアリングを自動で修正して直線的な畝を形成
[4]定植
全自動乗用移植機による定植作業を行いました。従来の歩行型移植機と比べて植え付けるスピードが速いため、作業時間が短縮できました。
全自動乗用移植機
従来の歩行型移植機
[5]追肥(※3)
ドローンによる追肥作業を行いました。ドローンは搭載量やバッテリーの持続時間等に課題があるものの年々改善されており、従来の歩行型施肥機と比べて作業時間が短縮できました。
乗用管理機による追肥作業と中耕作業(※4)を同時に行いました。中耕により肥料と土を撹拌するため、肥料効果の向上が期待できます。
※3:作物の栽培中に苗や土壌に肥料を施用すること。たまねぎでは冬季に2~3回行う。
※4:作物の栽培中、畝の表層部分や苗と苗の間などを耕すこと。生育の向上や雑草予防の効果が期待できる。
農業用ドローン
従来の歩行型施肥機
施肥機と中耕機を取り付けた乗用管理機
8回開催した実演会には、延べ120人以上の農業者や関係者が参加しました。実演会では、農業機械メーカーの担当者による説明の後、実際の作業を見学する機会を設けたところ、実演機の近くで動画や写真を撮影する人や、メーカー担当者に熱心に質問する人などが多く見られ、スマート農業への関心の高さが伺えました。参加された農業者からは「作業の効率化が図れる」「高度な作業が容易にできる」などの声が聞かれました。
今後もスマート農業の普及拡大に取り組んでいきます。
元肥作業の実演会の様子(11月)
定植作業の実演会の様子(12月)
ドローン追肥作業の実演会の様子(3月)
防除作業の実演会の様子(3月)