日本画部門 審査員 :大西 健太
<総評>
コロナ禍や災害、長い沈黙から抜け出して新たに日常を取り戻しながらの20回記念展。それぞれが晴れやかに絵と向き合い、その先へ向かう気持ちやエネルギーが込められた作品が集まりました。これから進んでいく生活の傍らに芸術が寄り添ってくれる事を願います。
市展賞
【命題】陽春
【住所】蒲生郡竜王町
【氏名】中江 美鶴
【特別賞】東近江市文化団体連合会会長賞
【講評】画面全体から伝わる温かな空気感とリズミカルに配置された草花がモダンな絵画構造を創り出しています。中心の少し空いた空間に見る人の気持ちが入り込んでいくような心地の良い作品です。
特選
【命題】炎暑の午後
【住所】東近江市
【氏名】木澤 幸子
【特別賞】産経新聞社賞
【講評】感性豊かに画面構成された優作です。作者と花。内と外。そこに確かな”間”が生まれ対話のような何かが絵から聞こえてきます。
特選
【命題】灯り
【住所】彦根市
【氏名】本田 充
【特別賞】京都新聞賞
【講評】陽が落ちて街が暗くなり夜に向かう情景。窓の灯りが闇を照らすガイダンスになり、絵の中で効果的に表現された優作です。
佳作
【命題】思い出の場所に咲く
【住所】東近江市
【氏名】小南 久美子
【講評】誠実で丁寧に描き込まれた作品です。作者が温かな気持ちで赤い花を見つめ、思い出やかけがえのない物語が伝わってきます。
佳作
【命題】想い出の翡翠
【住所】東近江市
【氏名】川元 典子
【講評】黄色と青の色面で構成された力強く面白い作品です。絵は自分の心を映します。画面中心にモチーフを大胆に描き、独特の絵肌が広がり好感の持てる表現です。
佳作
【命題】私も友達の仲間入り
【住所】蒲生郡日野町
【氏名】岸山 平
【講評】作者の子どもを見つめる温かで穏やかな眼差しが作品から伝わってきます。ユーモアな視点で描かれていて画面の中にストーリーがある良作です。