洋画部門 審査員 :甲津 久生
<総評>
今回は、油彩の具象画・抽象画や水彩など多様な作品の出品があり、興味深く拝見させて頂きました。出品者の多くは年配者で、今後は学生などの若い人たちの出品により更なる盛り上がりを期待したいです。
市展賞
【命題】朝の出店
【住所】東近江市
【氏名】川村 圭吾
【特別賞】東近江市長賞
【講評】人物描写だけでなく、その背景の細部まで巧みな表現で描かれ、多才な力量を感じさせる作品です。ただ、木立による影が少し暗いのが気になりました。
特選
【命題】神宿る大樹
【住所】東近江市
【氏名】 高田 徳一
【特別賞】NHK大津放送局賞
【講評】何回も塗り重ねたご神木であろう樹木を大きく重厚に描き、迫力ある画面になっています。背景の木々との間に抜けるような奥深い描写があればさらに良いと思います。
特選
【命題】織る人
【住所】愛知郡愛荘町
【氏名】大鹿 伸子
【特別賞】滋賀報知新聞社賞
【講評】昔ながらの織物機械と藍色の作業服を着た女性、そしてベージュの壁や障子など和の趣をうまく表現した力量を感じる作品です。
特選
【命題】厳冬の伊吹
【住所】米原市
【氏名】小野 淳
【特別賞】FMひがしおうみ賞
【講評】大自然の壮大さの表現は難しいが、それを克服して見事に表現し、作者の熟練と力量を感じさせる作品です。ただ、麓の木々が少し暗いのが気になりました。
佳作
【命題】今を盛りと
【住所】東近江市
【氏名】澤村 千惠子
【講評】紫陽花の美しさに魅せられ、感動した気持ちを素直に表現し、作品を見るものをも楽しませる作品です。
佳作
【命題】おまいり
【住所】東近江市
【氏名】林 輝子
【講評】人物の服とその前の蓮の淡い緑、そして背景の茶色っぽい建物と仏画が絶妙な色調子を醸し出し、作者の心情が伝わる作品です。
佳作
【命題】日野川ダム
【住所】蒲生郡日野町
【氏名】谷村 晃
【講評】自然の中に佇むダムとその周囲の木々や山、塗り込んだ重厚さが時として荒々しい自然の厳しさを醸し出しています。
佳作
【命題】石段
【住所】東近江市
【氏名】相川 弦一郎
【講評】石段沿いに立ち並ぶ家々の輪郭を黒色で力強く描き、青い屋根や赤い壁、そして白い石段など大胆な色調が面白い作品です。
佳作
【命題】あの辺り
【住所】愛知郡愛荘町
【氏名】荻田 明美
【講評】薄暗い曇り空に虹がかかっている。子どもたちが麦畑を自転車で楽しそうに走り、情景をうまく表現した作品です。ただ、山とその背景を少し明るくした方が良いと思います。