写真部門 審査員 :塚本 芳子
<総評>
皆さんの撮りたい、表現したい、と言う意気込みが伝わる作品にたくさん出会えました。瞬間を捉えた力強いもの、未来を感じるもの、空気感が表現されているものなど、どの作品も個性が溢れています。被写体に魅力を感じ、ご自分の感性に透過し、オンリーワンの作品を作る楽しさをこれからも追求されることを願ってやみません。
市展賞
【命題】出番待ち
【住所】東近江市
【氏名】平田 芳美
【特別賞】東近江市芸術文化祭実行委員会委員長賞
【講評】お祭りに出演する子どもさんの不安な気持ちがよく表れています。緊張した顔の中に頑張るぞという表情も見て取れて、複雑な心境を捉えられています。横におられる大人の方も、気持ちを同じく真剣に見守っておられ、上手く表現されました。
特選
【命題】帰路
【住所】東近江市
【氏名】阪江 範康
【特別賞】朝日新聞大津総局賞
【講評】大きな太陽が沈む前のオレンジ色に染まる刻に、大きなトラックを横に配置し、長い影の人物を真ん中に置いたことにより、寂しさと希望を併せ持つ心に響く作品に仕上がりました。
特選
【命題】雪の章
【住所】東近江市
【氏名】杉谷 眞人
【特別賞】報知写真新聞社賞
【講評】雪が降り積もった穏やかなモノクロ作品です。黒い曲線が細く奥の方へ流れ、この先への想像ができます。構図の面で少し右に片寄り気味で余白が多いように見えますが、その余白の白からグレーへのモノトーンの諧調が素晴らしく、作者の雪に対する深い気持ちが表れています。
特選
【命題】業火の技
【住所】東近江市
【氏名】小川 武司
【特別賞】滋賀市民新聞社賞
【講評】彦根の火祭りと思われます。子どもさんが火の付いた松明を画面いっぱいに振り回しているところから、迫力と不安そうな表情が見応えある作品に仕上がっています。
特選
【命題】朝一番
【住所】彦根市
【氏名】久木 康裕
【特別賞】株式会社カリセ賞
【講評】食材は分かりませんが、アジアの朝の食事準備でしょうか。窓から射す光と火が燃えさかる側で、一人働いている女性。辛いことも諸共せず黙々と仕事をしている強さを感じました。
佳作
【命題】厳冬
【住所】東近江市
【氏名】小林 正治
【講評】飛沫氷がうっすら赤く染めた空と共に写っています。最近、暖冬で飛沫氷が少なくなってきましたが、この作品は見事な氷の花を咲かせています。氷の露出もきちんとして、アンダーの中に白く浮き上がった氷を配置する事によって強く儚い夢のようなものが感じられます。
佳作
【命題】威風堂々
【住所】近江八幡市
【氏名】小川 正一
【講評】葦に野鳥がとまってしきりに鳴いています。何かしきりに訴えている声が聞こえてきます。まさに威風堂々。小さな鳥と思われますが、とても大きく感じます。
佳作
【命題】見守る目
【住所】東近江市
【氏名】塚本 純香
【講評】壁に貼られているポスターがいろいろな表情でとても面白く、いいものを見つけられたと思います。そこに通りがかった親子連れ。この場合、通りがかり子どもがポスターの真似をするとか、笑っているなどポスターと少しでも関連性があればもっと良くなったと思います。
佳作
【命題】近江平野疾走
【住所】東近江市
【氏名】河岸 薫
【講評】黄金に輝く近江米と朝焼けの雲に見守られて疾走する近江鉄道。光の中に走る電車を上手く捉えられて、これからの輝かしい東近江市の発展を願う気持ちが表れています。
佳作
【命題】炎火
【住所】甲賀市
【氏名】明石 金吾
【講評】赤い花を燃えるような色調にし、背景を暗く落とした事により、花弁が波打つ様子や光と影が作者の気持ちをしっかりと表現されています。
佳作
【命題】せせらぎの声
【住所】東近江市
【氏名】門阪 雅夫
【講評】新緑の柔らかな光に包まれて、せせらぎや鳥の声が聞こえて来るようです。いつまでも見ていたい安らぎを覚える優しい作品に仕上がっています。